講義動画
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今回できるようになること
学習目標
- 自己決定と、意思決定を支えることの違いを説明できる
- 本人が選ぶために必要な情報・選択肢・環境を説明できる
- 本人の希望と安全上の心配がある事例で、一方的な禁止や放任を避けた選択肢を選べる
- 権利擁護を、本人の権利を守り意思表明を支える実践として説明できる
覚える3点
要点を確認する
- 本人が何を大切にしているかを確かめ、意思を確認する
- 分かる情報と複数の選択肢を示し、意思形成・表明・実現を支える
- 一方的な禁止や放任を避け、権利と安全を一緒に守る方法を本人と考える
試験の言葉
正式な言葉と、やさしい意味
- 自己決定
- 本人が、自分の生活について必要な情報を得て、自分で選び、決めること。
- 意思決定支援
- 本人が意思をつくり、表し、決めたことを生活で実現できるよう、情報・環境・方法を整えて支えること。
- 権利擁護
- 本人の意思、選択、プライバシーなど、一人の人として持つ権利を守ること。
- アドボカシー
- 本人が言いにくい思いや意思を表し、権利を実現できるように支える働き。
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こんにちは。ともにケアの介護福祉士国家試験対策講座です。第2回は、『自己決定と権利擁護』です。本人の希望を尊重するとは、何でもそのまま行うことではありません。しかし、危険があるから介護者が決めることでもありません。今回は、一、本人の意思を確認する。二、選べる条件を整える。三、権利と安全を一緒に守る。この三つで整理します。まず、自己決定を支えるとは何かから見ていきましょう。
前回は、自立を『一人で全部すること』と考えないと学びました。自己決定は、本人が自分の生活について選び、決めることです。意思決定支援は、その人が考え、気持ちを表し、決めたことを生活に反映できるように支えることです。介護者が本人の代わりに正解を決めることではありません。
一つ目は、本人の意思を確認することです。家族と本人の希望が違っても、家族だけ、本人だけ、医師だけで急いで決めません。それぞれの思いを聞き、本人が何を大切にしているかを確かめます。第38回試験でも、一方を説得するのではなく、互いの気持ちを話し合う支援が問われました。
二つ目は、選べる条件を整えることです。本人が考えるためには、必要な情報が分かる形で示されていることが大切です。短い言葉、写真、実物などを使い、選べる方法をいくつか示します。良い点と心配な点を伝え、理解できたかを確かめます。答えを急がせず、考える時間をとることも支援です。
本人が言葉で答えにくくても、『決められない』と決めつけてはいけません。落ち着ける場所で話す。質問を一つずつにする。表情、視線、動きなど、言葉以外の表現にも注目する。必要なら時間を置いてもう一度確認する。本人が意思を表しやすい方法を探すことが、意思表明の支援です。
決めた後は、その意思を生活に反映できるように支えます。本人のできる力を生かし、必要な道具やサービス、周囲の協力を組み合わせます。心配な点があれば、介護者一人で抱えず、看護職などと共有します。支援した経過を記録し、本人の気持ちや状況が変わったときは、もう一度確認します。
三つ目の権利擁護とは、本人が一人の人として持つ権利を守ることです。本人の話を聞く。分かる情報を伝える。選ぶ機会をなくさない。プライバシーを守る。本人の言いにくい思いを、必要に応じて周囲へ伝える。このように、本人の意思表明や権利の実現を支える働きを、アドボカシーといいます。
権利を弱める対応には共通点があります。『本人には分からない』と決めつける。説明せずに家族へ決定を任せる。職員の都合で選択肢を減らす。危険という言葉だけで行動を禁止する。安全は大切ですが、本人を話し合いから外す理由にはなりません。制限が必要かを考える前に、より制限の少ない方法を探します。
事例で考えます。Tさんは先月転倒しましたが、『一人で近所の店へ行き、夕食の材料を自分で選びたい』と話しています。危険だから外出を止める。自己決定だから説明せずに行ってもらう。どちらも十分な支援ではありません。まず、なぜ店へ行きたいのか、今日の体調はどうかを本人に聞きます。
次に、転倒の心配を分かりやすく伝え、安全に行ける方法を本人と考えます。人通りの少ない時間を選ぶ。歩行器を使う。途中まで付き添う。別の日にする。どの方法が使えるかは、本人の状態や環境で変わります。大切なのは、最初から禁止するのではなく、本人の目的をできるだけ実現する方法を一緒に探し、本人が選べるようにすることです。
試験で注意する選択肢を整理します。家族に決めてもらう。専門職が代わりに決める。危険なので禁止する。自己決定なので何も確認しない。この四つは、本人が考え、選ぶ過程を抜いています。正しい選択肢には、本人の思いを聞く、分かるように説明する、複数の方法を示す、一緒に考える、という行動が入ります。
では、確認問題です。Tさん、80歳、女性は、先月転倒しましたが、『一人で近所の店へ行き、夕食の材料を選びたい』と話しています。介護福祉職の対応として、最も適切なものはどれでしょうか。一、危険なので外出を禁止する。二、本人に説明せず家族に決めてもらう。三、自己決定なので確認せず一人で外出してもらう。四、行きたい理由と体調を確認し、心配を説明して、安全に行ける方法を本人と考える。五、職員が代わりに材料を決めて買う。
正解は、四です。本人が店へ行く目的と体調を確認し、転倒の心配を分かるように伝えます。そのうえで、本人の目的をできるだけ実現できる方法を一緒に考えます。禁止するだけでは、本人の選択をなくします。何も確認しないのは、安全への配慮がありません。四は、自己決定を支えながら、権利と安全を一緒に守る対応です。
最後に、三つの順番を確認します。一、本人の意思を確認する。二、分かる情報と選択肢を示し、選べる条件を整える。三、権利と安全を一緒に守る方法を考える。自己決定の尊重は、禁止でも放任でもありません。本人を話し合いの中心に置き、その人が選び、実現できるように支えることです。
公式根拠
- 介護福祉士国家試験 出題基準確認日 2026-08-26
- 介護福祉士国家試験 科目別出題基準(第38回)確認日 2026-08-26
- 第38回介護福祉士国家試験 午前問題確認日 2026-08-26
- 認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン 第2版確認日 2026-08-26
- 障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン確認日 2026-08-26